消費市場が変化する中、31年間にわたり業界の技術発展をリードすると同時に、発展の成果を社会と分かち合ってきた企業がある。船舶用コンプレッサーのメーカーとしてスタートし、重水素燃料電池、潜水艦用燃料電池、掘削機用燃料電池、建物用燃料電池などを開発し、韓国の水素電池関連技術分野で最も注目すべき姿を見せているチョン·ヨンシク会長が率いるボムハンフューエルセル（株）だ。

競争で生き残る道は技術開発のみ…模倣から始めて最高のものを

  ボムハンフューエルセル（株）のチョン・ヨンシク会長は、もとは平凡な会社員だった。しかし、完全に自分の意思に従って自分の人生を生きていくには、起業こそが最適な選択だという事実に気づき、新しい人生に挑戦することになった。ボムハンフュールセル（株）の母体となったボムハン産業が設立された1990年は、「ベンチャー企業」と呼ばれる技術型中小企業が雨後の筍のように生じ、政府もそのような起業を奨励していた時代だった。チョン会長は、こうしたベンチャー企業への政府支援の流れを戦略的に利用して、有利な条件でベンチャーキャピタルの投資を受けて事業を開始することになる。チョン会長の信念により、ボムハン産業の技術力は、羅老宇宙センターに超高圧コンプレッサーを納品するほど認められただけでなく、2009年にはコンプレッサー市場における世界第一位の企業である「アトラスコプコ」と全世界を対象に販売とサービスの提携契約を結んだ。国内の船舶用コンプレッサーの分野では、基盤技術を備え海外マーケティングまで可能な群を抜く位置に立ったことになる。

これまで築き上げてきた信頼と技術により未来の水素経済の主役に

  気候危機が世界的に重要なイシューとして台頭する中で、水素エネルギー産業が環境配慮型産業として大きな注目を集めている。ボムハン産業(株)はこれに歩調を合わせて、水素産業関連の子会社であるボムハンフューエルセル(株)を通じて国内市場をリードしているだけでなく、果敢な技術投資で韓国の水素産業の技術標準を作り出している。チョン·ヨンシク会長は、馬谷（マゴク）研究団地に500億ウォンを投資し、国内最大規模の水素燃料電池の専門研究所である「ボムハン技術院」を今年竣工した。ボムハン技術院が韓国水素産業発展の一等功臣となり、世界と競争できる水素コンプレッサーとエアーコンプレッサー技術開発を示そうというのがチョン会長の抱負だ。

   ボムハンフューエルセル（株）が水素燃料電池の分野で収めた大きな成果として、潜水艦用燃料電池の開発を挙げることができる。潜水艦は、その特性上、長時間水中で独立して電気を生産し、長く保存できる技術が必須となる。したがって、潜水艦のエネルギー供給源として原子力エネルギーや水素エネルギーが主に使われることになるが、原子力エネルギーは政治的な理由などにより開発が容易でないことから、優れた性能を備えた水素燃料電池が必要となる。ボムハンフューエルセル(株)は、数百kWの燃料電池を韓国海軍の安昌浩艦と最近進水式をした安武艦に納品することで、潜水艦の作戦能力を大きく向上させたという評価を受けている。安昌浩艦は、（株）ボムハンフューエルセルの燃料電池を搭載し、約１か月間の潜行と作戦遂行が可能だ。ボムハンフューエルセルの潜水艦用燃料電池は、世界で2番目に商業化に成功した製品として昨年、「2019世界一流商品」で一流商品部門に選定されるという成果を収めた。

分かち合いは人として当然の道理であり、社会と共に歩むことが企業の本分

  「早く行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければみんなで進め」という有名な金言がある。ボムハンフューエルセル（株）のチョン・ヨンシク会長の経営哲学である「配慮、分かち合い、共存」は、このような金言の意味を改めて思い起こさせる。このような経営哲学を基盤として、近隣の住民から社会的弱者、障害者、低所得層などに対する分かち合いの先頭に立っているだけでなく、スポーツや芸術など様々な分野への支援を長く続けているチョン·ヨンシク会長が行ってきたことの中でも最も有名なのは、韓国の競走馬界最高の名馬の中の一頭である「当代不敗」の馬主として、長く善行を続けてきた部分であろう。鄭会長は、「当代不敗」の名を通じて毎年約1億ウォンを寄付する方法により、約4億ウォンを社会福祉共同募金会に寄付し、障害者スポーツ選手の義足、義手、スポーツ用具の購入に使われた。 これを通じて「当代不敗」は韓国の歴史上、初めてオーナーソサエティに加入した動物として名を残した。ボムハンフューエルセル（株）のチョン·ヨンシク会長は、将来の抱負についての質問に、「現在は水素エネルギー関連分野に積極的に投資を続け、世界の標準を築く企業として飛躍するという夢を抱いており、特に海外で様々な関連企業と提携しているという点を利用して、東南アジア地域の経済発展を予測し、先制的な投資戦略も考えている」と語った。